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2015/05/25

レーカンの井上さん


今期2番めに面白いアニメ(1番は血界戦線)のレーカン
微妙に古臭い演出と、意外にも本格的なホラー要素。そして毎回見づらいサブタイトルが特徴です。

さて、レーカンのジャンルは一体何でしょうか。
また、レーカンの持つ謎の魅力の理由とは何なのでしょうか。
今回はその辺りを雑に探ります。

主人公の天海響さんは霊感体質がたいへん強く、周りの霊と交流する能力を持っています。
そしてその能力は彼女の周囲の人々にも概ね受け入れられており、これだけではSF扱いされかねません。

例えば、ある人が魔法を使っていて、それが万人に受け入れられている(当たり前になっている)世界はSFです。
極黒のブリュンヒルデは「魔女」の存在を主人公が認めたためSFになりますし、ドラえもんも同じです。
同様に、レーカンも全登場人物が天海響さんの能力を認めれば、これはSFになります。

しかし、井上成美という彼女1人の存在により、ジャンルはSFからは外れるのです。
彼女はだんだんとそのありえない状況に順応しつつありますが、依然として霊現象を否定・拒絶し続けています。

これにより、レーカンは日常系というジャンルに収まるのです。
また、彼女が霊を否定することで、物語にリアリティが残ります。
井上さんは我々に、この状態(霊と戯れている状態)は異常であることを伝え続けてくれます。彼女の役割は非常に重要です。
彼女のおかげで、レーカンは日常の中に非日常を作り出せていると思います。

こういった微妙なせめぎ合いが、レーカンの怪しい雰囲気を作っているのかもしませんね。


(ちなみに、似たような設定を持つ作品に「未確認で進行形」があります。これも一見するとジャンルはSFですが、どうやら日常系らしいです。
しかし、登場人物は皆、様々な超常現象を普通に受け入れています。これではSFとなんら変わりませんよ。私はここにズレを感じているため、いまいちこの作品が好きになれずにいます。)

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